アクチュエータ時期新製品開発の裏側 不可能を可能に変えるため、日々、研究を重ねる。 井口 真也 開発部機械設計第三課

国際競争に勝ち抜くために、絶えず革新を起こす。

 アクチュエータRCPシリーズは、アイエイアイの数ある小型産業用ロボットの中でも花形製品である。電動アクチュエータを集中的に手がけ、国内シェアNo1を維持。そのメーカーとしての信頼を担った人気製品だ。性能、価格、ランニングコスト等、あらゆる面で他メーカーの追随を許さない。

 ところが近年、海外メーカーが市場に参入をし始めた。益々グローバル化する市場を背景に、競争関係は国内にとどまらない。おのずと国外メーカーを相手にしなくてはならないのだ。アイエイアイではRCP4という十分に安価で高性能のロボシリンダを販売していたが、さらに安価な製品の開発へ踏み切ることになる。

社員一人一人の力が、新製品開発の最前線を担う。

 次期新製品開発に抜擢されたのは開発部機械設計第三課の井口真也である。1997年の入社以来、機械設計に没頭した。2000年代後半には実力をかわれ、大手自動車メーカーへの出向、その後、新事業の立ち上げ等、新しい試みを任されてきた。

 石田社長が井口へ出した指令はコストを大幅に削減した製品の開発。当然、高性能のままで。井口は当初、難しいと思った。RCP4はすでに他社を圧倒する製品だった。これ以上どうすると言うのか…。

 しかし他社や顧客を驚かせ続けなければシェアNo1を維持するのは困難だ。井口は挑戦することに決める。

他社製品の研究を通して、具体案を導き出す。

 2012年に開発がスタートし、結果は2013年11月のロボット展で披露しなくてはいけない。ロボット展は、業界各社が新動向を紹介する重要な展示会だ。その間、わずか1年半。時間は限られている。新開発にあたって、井口と他2名の開発チームは先ずRCP4のコスト分析を行った。部品ひとつひとつについて徹底的に。さらに競合他社の品を調査した。しかし、アイエイアイは賭け値なしのトップランナー。アイエイアイ製品に優位性があるのは明らかであった。

 既存の自社製品を更に上回る優位性を持たせるには、製造時におけるコストダウンの必要がある。これまでの製品開発の経験と幾度とないチームでの打ち合わせから、2つの方針を出した。使用材料の見直し、製品設計の改良である。それぞれを突き詰めて考えることで改良の具体案が見えてきた。

新アイデア実現には、各部署の協力が試される。

 まずは、材料の見直し。電動アクチュエータの構成部品ひとつひとつに着目し、性能に影響を与えない範囲で、可能な限り安価な材料に変更することを検討していった。試作、評価を繰り返し、ギリギリの線を攻めた。何度目かの失敗の後、ようやく納得できる材料にたどり着いた。

 次に、製品設計の改良。新たに設計した部品は積極的に共通化した。部品は、どんなに形状が似ていても、1mmでも寸法が違えば別の部品となる。別の部品となれば、当然それぞれの製造コストが高くなるうえ、管理コストも嵩む。新製品では当初より共通化を強く意識し開発を進めてきた。これにより総部品点数は、RCP4を大幅に下回った。

 井口は「一人ではやり遂げることはできなかった」と言う。開発チームの努力はもちろん、部署間の強い連携が生み出すチームプレイだった。2013年のロボット展では同業者から驚きの声が上がった。石田社長は井口にすぐに指示を出した。「さらにコスト削減を頼む」――開発チームのあくなき追求は続く。

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