プロジェクトストーリー
PROJECT STORY プロジェクトストーリー
PROJECT STORY03
PROJECT STORY03

人の手に頼らない、不良が出ないシステムを開発。

人に依存した仕組みからの脱却

【A.M.】
組み立て工程にパソコンを導入している企業は、今でこそ珍しくありませんが、2008年頃は手作業で行っているところがほとんど。アイエイアイでは当時から多品種少量生産を行っていたため、型番は何百万とあり、膨大な情報を覚える必要がありました。

それにもかかわらず、作業のチェックは作業者と次工程の作業者が担当するだけで、品質保証は人頼みとなっていました。

そのため、作業ミス、作業もれ、部品の取り付け忘れ、誤った部品を取り付けてしまうといった不良が続出。出荷検査も人が実施していたので、全てを見つけきれず、お客様にご迷惑をかけてしまうこともありました。新製品が次々と開発される中、人に依存した仕組みに限界を感じるようになりました。

そこで、全ての作業が終わらないと次に進めない仕組みや、部品の取り付け忘れなどを防止する仕組みをはじめ、作業単位ごとに作業時間を自動で収集したり、部品の在庫を管理したりするシステムを考案。上司に提案したところ承認が下り、「不良が発生しない、高効率な組み立てライン」を立ち上げるプロジェクトがスタートしました。

人に依存した仕組みからの脱却
人に依存した仕組みからの脱却

作業者の声を形にしながら、業務を改善

【K.T.】
作業者は、慣れ親しんだ作業スタイルを変えることを嫌います。こちらが提供するものを、使ってもらうためではなく、使い続けてもらうためにはどうすればよいかを考え、現場の声に耳を傾けながら開発を進めていきました。

そして、これまで紙で管理していた作業指示書から、二次元バーコードを読み込んで型番や製品番号、作業手順を取得するシステムに変更。作業者の前にあるモニターには、作業手順が1工程ずつ映し出され、特に間違えやすい部分は写真入りで分かりやすく表示されます。

ねじ締めもシステムでカウントすることにより、必要な回数締められていない場合には、次の工程に進むことができないようにしました。さらに、電子てんびんを導入したことで、部品の数量が正しく使用されたか計測できるようになりました。

同じ製品でも、ケーブルの長さは仕様によってさまざまで、見分けるのは型番にある1文字だけ。新しいシステムでは、ケーブルに付いたバーコードを読み取ることで、正しい部品であるかが簡単に確認できるようになりました。

スタートから5年、ようやく組立課全体にシステムを導入することができました。その結果、不良の発生はほぼゼロになり、作業効率も大幅に改善されました。

作業者の声を形にしながら、業務を改善

システムが評価され、製造部のスタンダードツールに

【A.M.】
最初はシステムの導入に協力的でなかった作業者も、テストラインで楽しそうに作業するメンバーの様子を見て徐々に興味を持つように。また、作業者からの要望をすぐに反映させるようにしたことで、「これは自分たちのためのシステムだ」と受け入れてもらえました。

作業者や製品検査者から、「検査もれやミスがなかったか不安で眠れないときもあったけれど、もう安心だ」などと感謝されたことがうれしかったですね。作業者のストレスが減ったことで、積極的に業務改善に取り組む雰囲気が課内に広がりました。

これまで人の記憶に頼っていた作業から解放されたことで、新人への教育期間が大幅に短縮されるなど、システムのさまざまな効果が認められ、製造部全体に採用されたときには、大きな達成感を覚えました。

この経験を通じて、最初から100%の完成度を目指すのではなく、利用者や関係者を巻き込みながら段階を踏んで改良していくことの重要性を学ぶことができました。これからも、製造部全体で業務改善に取り組んでいきたいです。

システムが評価され、製造部のスタンダードツールに